ビジネスと投資について考えてみましょう。
資産だけで生活できるのでなければ、生計を支える手段として有望なのは、投資よりもビジネスになるでしょう。
なにより、投資で収益を上げるには、元手と時間が必要です。
デイトレードなどで利益を上げて生活している人もいますが、そのほとんどはすでに十分な資産を得て、投資の失敗による損失を残った資産でリカバリできるだけの元手を準備できる人がほとんどになります。
そうでなければ、投資の失敗による損失をリカバリできなくなり、再びサラリーマンなどの雇われて収入を得る生活に戻ることになります。
FXなどで収入を得てそのノウハウを公開している人は、かつてその方法で十分な資産を得ていることを実証としていますが、投資の世界は同じ手法がいつまでも通用するとは限りません。
実際、巨大な資産を扱うアメリカの投資ファンドが大きな損失を出して破産したという事例はいくらでもあります。
もちろん、ビジネスで安定した収入を得ることもカンタンとは言えません。
フリーランスで生活している人は増えているとはいえ、その全てが安定した収入を得ているわけではなく、他の収入源と合わせて生活している場合も少なくありません。
フリーランスなどの自営業者は、増えているからこそ競争相手も多く、収入になる仕事を得るだけでもカンタンではなくなってきています。
文章を書いて収入を得られたキュレーションサイトなどはその多くが閉鎖を余儀なくされ、ロゴデザインなどは参入が比較的容易なため、コンペに勝ち残るのも難しくなっています。
YouTubeも、収益化のハードルが上がっているため、新規参入はより難しくなっていますし、アクセス数を稼ぐために犯罪まがいの行為に走るものも現われる始末です。
こうした状況を考えると、サラリーマンを辞めて、リタイアしてから収入を得ることを始めたのでは遅すぎるというのが現状でしょう。
幸い、今では副業が認められる職場も増えており、サラリーマンを続けながら、起業することが可能な環境も少なくありません。
2018年現在、政府が推進する「働き方改革」は、その主張する意義と矛盾する政策も少なくありませんが、働きながら退職後の準備を進めるには絶好の環境を提供してくれるでしょう。
組織の属しながらキャリアパスを積み上げても、収入の増加を見込めないのであれば、組織に属しながら「起業して生活する環境を準備するほうが将来設計が安定する」という考え方もあります。
それならば、双方を併せて進めておいたほうが選択肢が増えるというものです。
そういった意味でも、副業を始めることは、将来のためにも重要なスキルであることは言うまでもありません。
定年年齢を75歳程度まで上げる企業も増えていますが、ほとんどの場合は再雇用によって収入が減ることが多いので、起業することを念頭に置いて準備を進めるほうが合理的とも言えます。
今後、年金の支給年齢は75歳から、さらに引き上げられる可能性がありますから、定年後を見据えた収入手段を準備することは必須になります。
高齢になってからも続けられる仕事や不労所得の方法を準備しておくことで、年金と2本立て、3本立ての収益手段があれば、老後破産などの憂き目には会わずに済む可能性が高まるのです。
ビジネスを安定させるには、尋常でない時間と労力が必要になりますが、早くから準備することで労力を抑えることができるでしょう。
個人事業では、自身のブランディングもビジネスの価値向上に貢献します。
セルフブランディングにも力を注いで置いて損はありません。
ブランディングといってもよくわからないかもしれませんが、要するに実績を積んでおくと言うことと理解してもいいでしょう。実績のない人に仕事を依頼する人はほとんどいません。
何もしないでいても実績は生まれませんから、少しでも仕事をして実績を積み上げておく必要があります。
自分の得意分野でコンペに参加するなどの方法で実績を積むことも可能ですし、縁故を頼って実績を積むことを考えてみてもいいでしょう。
しかし、「実績になるから」とか「投資だと思って」とかいって、安い単価で仕事を依頼してくる人もいますが、収入にならなくても実績のために仕事をすると言うのでは、自分の価値を貶めることになります。